当科の紹介

ご挨拶

 佐賀大学医学部 一般・消化器外科の主任教授を平成22年5月より拝命しております能城です。本教室は昭和54年に前身である佐賀医科大学一般・消化器外科として大学開設時より消化器外科を中心に乳腺内分泌外科なども含めて広く一般外科を行ってきた診療科です。大学病院として佐賀県を中心に高度な技術や知識を必要とする外科治療を行う一方、大学として医学生の教育および外科医の育成、さらに研究機関として多くの学会および論文業績も残してまいりました。
 私が本教室に着任して以来、低侵襲で根治性の高い鏡視下手術(内視鏡手術)を積極的に行い、現在では消化器外科全般において広く高いレベルで鏡視下手術を実践している施設と自負しております。たとえば、食道癌では開胸をせず食道切除を腹臥位という特殊な体位で胸腔鏡下におこなっておりますし、様々な胃癌の切除術式を腹腔鏡下に行い、大腸癌も同様に一般的に行われている術式はすべて腹腔鏡下に行います。肝切除や膵切除も積極的に腹腔鏡下に取り組んでおります。また、本教室では消化器外科領域におけるロボット支援手術(ダ・ヴィンチ手術)を全国に先駆け導入してきました。平成22年の導入後は自由診療のみでの治療となっておりましたが、平成28年には先進医療での実績を残してまいりました。その結果が実り、当院は平成30年4月より消化器外科領域において保険診療下でのロボット支援手術が可能な数少ない施設となっています。これからも一般医療の範疇を超え、自由診療や先進医療などの最先端で高度な医療を提供していくよう努力してまいります。
今後も佐賀県だけに留まらず、わが国の医療を牽引、進歩させ、患者さんおよび社会に貢献できる大学医療機関としての責務を果たしていきたいと考えています。

能城 浩和

能城 浩和

 

診療

的確な診断に基づく精密な外科治療を実践しなくてはならないと考えています。消化器内科や放射線科さらに麻酔科との密な連携で個々の患者さんの治療を計画しています。
また、外科治療の技術向上のためのセミナーやカンファレンスも頻回に行い、個々の外科医の質の向上に努力します。患者さん中心の医療とは形骸化されたものではなく鍛え上げ抜かれた外科医と患者さんが十分なコミュニケーションが取れている状況をいうものだと考えています。

 

研究

たとえば外科学一般に内視鏡下手術の与えた影響は大きく、今日従来の解剖学的な常識すら変貌しようとしています。外科学自体の研究課題は無限に広がり解明しなければならないことも山積みです。
また今日、手術療法以外の化学療法、免疫療法、放射線治療や分子標的治療などの発展は目覚ましく、今後もこれらの研究分野にも今後十分な発展が期待されています。外科医として手術の分野だけでの素養を貫くのも良いかもしれませんが、研究を通して基礎理論から考察する時間も外科医として有意義であると考えています。そのため医局員にはある一定期間の研究期間を推奨しています。

 

教育

医学生、初期研修医、後期研修医、医員さらに私も含めて教員すべてが大学病院では教育を受け切磋琢磨し、その知識と技量を研鑽していく必要があります。教育を受ける立場もする立場も同時に正しいことを伝え理解することを繰り返して初めて全体の水準が上がり社会がそれを評価してくれるものと信じております。個々の自覚から問題定義、戦略企画、実践、最後に反省と今後の展望の繰り返しの過程から逸脱しないようにするのが教育の役割と常に考えております。

 

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