若手外科医からのメッセージ

今村 美乃莉Minori IMAMURA
出身:佐賀県
2020年 佐賀大学 医学部卒業
2022年 入局
外科に初めて興味を持ったのは、学生の頃の乳腺の授業でした。その頃の他の授業の印象はほとんど記憶に残っていませんが、その授業の内容だけは今でも覚えています。内容は乳癌の治療の歴史に関するものでしたが、その変遷をたどると治療は、手術や抗がん剤治療による生命予後の改善だけでなく、整容性に関することも患者さんにとって大事なことであるということでした。
その後、外科をあまり意識しない学生生活や研修医時代を過ごしていましたが、研修医の時にローテーションで研修させていただいた一般・消化器外科で、再度、乳腺診療に触れ、学生時代の記憶や思いが蘇ってきたことに加え、治療は診断から術前化学療法、手術、術後療法のみならず整容性を目指す総合的な治療などが必要ということを改めて実感し、自分の仕事にしたいという思いを持ちました。
乳腺外科医を目指す上で一般外科として外科専門医を目指した修練を積むべきか、外科に対する不安からOncoplastic surgeryと呼ばれる乳房再建を行う形成外科に進むべきか悩みました。しかしながら、私たち若手医師を一人前の医師に育て上げるという一般・消化器外科の先生達の熱い思いと、私自身も、より全身管理もできる総合力のある外科医も目指したいと思い、本教室への入局を決めました。
入局後は様々な先生方にご指導をいただきながら、一般外科医として修練しています。一般・消化器外科に入局しましたら、外科専門医をとるまではもともと興味のある専門性の高い乳腺疾患とはあまり関われないかと思っておりましたが、大学では乳腺疾患の患者さんを多く担当させていただけるようにご配慮いただいたり、関連病院への出向でも乳腺専門医のいる病院へ派遣してもらい術前・術後の管理を担当したり、多くの執刀手術も経験させていただきました。
学会発表の風景
また、佐賀大学の乳腺診療では少数精鋭でおこなっておりますので、指導医から密な御指導をいただいたり、様々な乳腺の勉強会に声をかけていただいたりと勉強する環境を十分に整っていると思います。
一般外科として経験を積ませていただき、3年が経過しました。生活や体力については、大変ではありますが充実しており、当初、不安に感じていたよりも思った以上に生活スタイルに慣れ、何とかこなしております。できることが徐々に増えていき手術や一般外科に対する興味とやりがいが増しています。また、患者さんが順調に退院される時には、小躍りしたくなるぐらいにうれしく思いますし、患者さんからの感謝のお言葉をいただくと、やっていてよかったと実感します。
プライベートでのキャンプの風景
最後に乳腺に興味のある方々で、一般外科に入ることに対して不安に思う方もいらっしゃると思います。ただ、乳腺外科を志望するということであれば自身の将来設計も含めて先輩方が考えてご配慮くださいますし、外科という生活についても、想像より何とかなると自身の経験から思います。ですので、少しでも興味がある方は見学や実習にきてもらえると嬉しいです。
私は乳腺の興味で入局しましたが、手術を重ね一般外科への興味を抱くようになりました。少しでも外科に興味があるのであれば一度、経験とともに興味がわくかもしれません。ぜひ皆様をお待ちしております。